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症例呈示7《椎間板ヘルニア(スポーツ障害)》

39歳、男性。馬術選手・馬術インストラクター。

大学1年の頃から、右殿部の突っ張った痛みがあった。病院でMRIを撮ったところ、L4-L5の椎間板ヘルニアと診断を受ける。痛みは感じるものの、生活に支障がなかったため特に治療せず。
2008年からベルギーにて馬術留学を行っていた。2009年、騎乗中に腰に激痛が走り、騎乗不能になる。翌年に世界選手権を控えていたため、アントワープの病院でヘルニア摘出手術を受ける。術後、腰痛は軽減したが右殿部痛に変化はみられなかった。
2012年頃から腰の痛みが徐々に増悪し始め、2014年1月に強度の右下肢痛が発現した。病院で神経根ブロックを行ったが、数時間後には元の状態に戻ってしまう。リリカ、ロキソニン、ボルタレンの服用で、痛みを緩和して選手活動を再開した。
6月上旬から痛みが強くなりはじめ、仙骨硬膜外ブロック等、各種ブロック注射を行うが改善せず。6月下旬の試合中に激痛のため歩行困難となり、救急車で搬送される。

のざき鍼灸治療院に初診来院。小殿筋を押圧後、刺鍼。坐骨神経痛の痛みの発生源認知(私の痛いのはそれです!という感覚)がみられ、右殿部から下肢の痛みが、きわめて著明に軽快。
その後、継続的な治療とセルフケアにより、右臀部・下肢の痛みは著明に改善した。

競技上の支障が全くなくなり、本来のパフォーマンスを発揮できるまでに至った。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、馬術・障害飛越で日本代表に選出され出場。
現在は自らのセルフケアとともに、定期的なメンテナンスに来院され、予後は良好。
(※治療効果は人により異なります)

こちらのページに、患者さんからのメッセージがあります。

症例呈示6《左臀部痛、左下腿しびれ》

46歳、女性、会社員。主な症状は、左臀部痛と左下腿外側のしびれで立位が辛い。既往歴は、20年くらい前に左下肢前部に打撲。家族歴としては、母親が変形性股関節症で人工股関節置換術の手術を受けている。

もともと右股関節が少し固い自覚症状があった。先週から忙しく、咳も出ていた。一昨日に腰が痛くなり、昨日から左臀部の激痛と下腿外側のしびれがあり昨晩は眠れなかった。今日、慈恵会医大に行った。レントゲン検査の結果、椎間板の1か所が狭くなっているとの所見。MRIは眉のタトゥーのため実施せず。結局、薬を処方されたのみだった。

平成27年2月4日、初診来院。仰臥位でマッサージしたところ、疼痛が増悪し、側臥位にて施行。
2月9日、再来院。だいぶ楽になったが、すねの前の痛みとしびれが残る。トリガーポイントに刺鍼したところ、感作の消退が確認できた。
2月16日、3回目来院。臀部痛と下腿部しびれは、ほとんどなくなった。肩こりもあるとのことで、マッサージを施行する。
3回の施療で疼痛・しびれが著明に改善され、予後は良好。
(※治療効果は人により異なります)

症例呈示5《座骨神経痛》

53歳、女性、僧侶。主な症状は、2年前より右膝の痛み、1カ月前より左腰(座骨)の痛み。

2年前、海外旅行の後に右膝が痛くなる。近医で注射などの治療をしたが改善せず、中国鍼へ通ったところ正座はできるようになった。しかし、膝内側の重い感じは残る。
職業がら正座は避けられず、右膝をかばう姿勢が続いたためか、1カ月前より左座骨の辺りが痛むようになった。安静時も含めてジンジンと、ひきつれるような痛みが続く。鎮痛剤を服用するも改善せず、来院。

8月19日、初診来院。伏臥位で3寸の鍼を使用し刺鍼。小殿筋で認知覚があり。仰臥位で中殿筋前部線維も刺鍼。
8月25日、自発痛変わらず、触診にて大殿筋も発生源認知あり。大・中・小殿筋中心に刺鍼。他の殿筋も感作はあるものの、症状とは直接関係なさそうなのでマッサージのみ。
9月1日、左上臥床なら何とか、普段は殿部痛まず。下腿前面のみに疼痛範囲は縮小。足関節がポキポキいう。今回は足関節周囲の筋群も刺鍼。
9月17日、痛み大分楽。下腿外〜足背から拇趾までのしびれだけあり。
(※治療効果は人により異なります)

症例呈示4《めまい(前庭神経炎)》

76歳、女性。主な症状は、目まい。既往症・家族歴、特になし。

1年前から目まいがして、歩くと傾いていく感じがある。耳鼻科を受診したところ、右耳が悪いための前庭系耳性めまいと診断された。前庭のトレーニングを指導され、自宅にておこなっている。首のこり感があり、ひどいときは整形外科で鎮痛剤をもらっていた。

7月23日、初診来院。頭がフワフワする感じで、酔っている人が歩くように、右や左へ行きそうになるとのこと。首のこり感があり、首・後頭部の緊張からくる浮動性めまいと診断。伏臥位で鍼を施行、後頭下筋群、半棘筋がひどい状態。
7月28日、2回目来院。前回、フワフワ感をとる目的で、後頭部を刺鍼したところ、フワフワ感と歩行時のフラフラする感じが著明に改善した。
8月8日、3回目来院。頭のフワフワ感はなくなったが、歩行時のフラフラする感じが戻ってしまった。
後頭部筋への鍼施行が奏効し、首のこりが大分楽になり、頭のフワフワ感は解消した。しかし、歩行時のフラフラ感、かつ肩が依然こっている症状が残る。腰もすこし痛い、足も冷えるとの訴えあり。前庭器官障害による目まいかもしれないが、自律神経も関係するか。広範囲にトリガーポイントマッサージを施行。
自律神経を調整する目的で、トリガーポイントマッサージを継続予定。
(※治療効果は人により異なります)

症例呈示3《左脚脱力感・しびれ》

52歳、男性、公務員。主な症状は、左脚全体が重だるく、力が入り難い。歩行時に違和感・脱力感がある。左腕にも同様の重だるさ、脱力感がある。

既往歴はとくにないが、毎日5kmのウォーキング、土日にはウォーキング10kmと3~4時間バイクに乗るのが習慣。2年くらい前から、だんだん疲れが取れなくなり、スリッパが脱げたり、爪先が上がらなくなってきた。最初は股関節が痛かったため、整体院で整体・ストレッチを受けていたが、症状は軽快せず。
歩く際に踵から地面に着けず、左脚全体を持ち上げて爪先から着くようになってきた。左腕の脱力感でバイクのクラッチ操作が困難。

平成26年5月19日、初診来院。所見では、すねから足の甲にかけて違和感、足底の痛み・痺れが認められた。歩行時に違和感・脱力感があり、椅子に座ったあとなどには痺れる。初回は中殿筋前部線維とすねに刺鍼、臀部と足の甲に響く感覚があり、置鍼をしたところ「なつかしい痛み」が再現された。
初回治療から、脚に力が入るようになって、筋肉に張りが戻ってきた。3回目以降は重だるさが、痛みに代わってきて、ふくらはぎ・足底の違和感・脱力感・痺れは顕著に消退した。
4回目からは、膝の可動域制限にトリガーポイントマッサージ、左腕の前腕も治療を施行。8回のトリガーポイント鍼治療で、左脚の重だるさと脱力感が著明に軽減、歩行の困難はなくなった。左腕の症状も著明に改善し、細かい動きができるようになった。予後は良好。
(※治療効果は人により異なります)

症例呈示2《膝痛》

58歳、男性、僧侶。主な症状は、膝の痛みで正座もしゃがむことも困難。既往歴はとくにないが、やや肥満気味の体型。

僧侶という職業柄、正座などで膝の負担が多く、そのせいか10年以上前から右膝が痛むようになった。ここ2〜3年はとくに痛みがひどく、平成24年6月、近医を受診。変形性膝関節症と診断され、ヒアルロン酸注射の治療を受けたが、症状は消退せず。平成25年3月に本山へ行く機会があった。本山は急峻な地形で階段が多く、昇り降りで負担が掛かったため、左膝も痛むようになり、さらに症状が増悪した。

平成25年11月、初診来院。所見では、膝蓋腱、内側膝蓋支帯、腓腹筋起始腱、大腿二頭筋短頭に感作があり、運動痛、運動制限がみられた。上記部位に鍼とマッサージを施行。初回から疼痛軽減がみられ、10回目を過ぎてからは著明に可動域が拡大し、正座も可能になった。現在は階段も正常に降りることができ、予後は良好。
(※治療効果は人により異なります)

症例呈示1《右上肢(上腕)痛》

69歳、女性、主婦。主な症状は、右上腕部の自発痛(静かにしていても痛い)、関連圧痛(自分で触ると痛む)、その他、外気に触れたりの刺激で痛む。既往歴はとくにないが、動悸、睡眠障害などの自律神経症状が見られる。

書道をやっていて、以前から時々首・肩が重くなる感じがし、カイロプラクティックに通うことがあった。数回行けば楽になる。平成25年末に、筆で年賀状を書いていたところ、右上腕部と肩甲骨の辺に痛みが出現した。カイロプラクティックに3回行き、ストレッチングで背部痛は緩和するも、上腕部の痛みは改善せず。

平成26年1月6日、初診来院。右上腕部に、しびれる手前のような痛みが常時ある。横になったときは痛まないとのことから、斜角筋を主として、トリガーポイント鍼療法を施行。1回目で、上腕部の痛み、関連圧痛とも速やかに軽快する。
1月10日、再来院。右上腕部の痛みはかなり楽になり、最初の頃からすると4分の1くらいの感じ。肩甲骨の辺と肘に痛みが移った気がする。2回目は、斜角筋と前腕に鍼、肩甲内縁に灸を施行。その後数日で、上腕部と肩甲骨の痛みとも著明に改善し、予後は良好。
(※治療効果は人により異なります)