(Q)トリガーポイントができるとどうなるの?
(A)形成されたトリガーポイントが刺激されることで痛みが発生します。刺激というのは主に筋収縮です。動きによる筋収縮は歩くと痛い、曲げると痛いなど動作による痛みを出します。姿勢維持に伴う筋収縮は立ってると痛い、座ってると痛いなど姿勢による痛みを出します。
また、トリガーポイントが形成された筋肉は収縮して硬くなるので、関節の可動域を制限したり、血行障害を起こします。トリガーポイントより末梢の部位が冷え性になることもあります。
(Q)トリガーポイントはどこにできるの?
(A)筋肉と骨の境目の付着部に形成されることが多く、筋線維を包む膜(筋外膜・筋周膜)にもできます。また腱や靭帯、関節包にも形成されることがあります。
(Q)トリガーポイントはどうしてできるの?
(A)度重なる筋収縮の繰り返しにより負荷が積み重なり、受容器が過敏化されトリガーポイントとなります。ですから、たくさん使う筋肉の付着部にできます。
たくさん使う筋肉というのは、姿勢維持に使う筋肉です。また、スポーツなどの繰り返し動作により、特定の筋に負担がかかることでも、その筋肉に形成されます。その他、大きな怪我や手術の痕などに形成されることもあります。
(Q)トリガーポイントができてしまったらどうすればいいの?
(A)感作した受容器を一旦壊し、新しい正常な受容器を再生させます。
それには、痛みを発している受容器を的確に刺激する必要があります。鍼や指で、悪くなっていそうなところを探っていき、当てるのです。
鍼や指で壊した受容器は、早ければ数分、遅くても数日で再生されます。
ただ、過敏化や興奮の程度が強かったり、慢性化して長い時間が経過している場合は、組織の血流が著しく低下しています。繰り返し刺激を続ける必要があります。
(Q)トリガーポイント鍼の治療は痛くないの?
(A)鍼治療が初めての方は、いちばん関心があり、不安のあることだと思います。まったく痛みを感じないとは申せませんが、刺激量を調節できる技量のある施術者ならば、無理に我慢していただくようなことはありません。ほとんどの方は「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。
またトリガーポイントに鍼が入ると、ズンと来る感覚があります。これも回数を重ねるごとに「痛気持ちいい」と感じる方が多いようです。それでも耐えられないという方には、苦痛を少なくすることもできます。
(Q)トリガーポイントを治療した後は再発しないの?
(A)トリガーポイントを除去しても、同じ場所に、またできることがあります。
それは、スポーツなどでの誤ったフォームや、偏った体の使い方などが原因と考えられます。例えば片側の手ばかり酷使する、デスクや椅子の高さが極端に合っていないなどです。
その他に、いつも同じ部分を圧迫する、ベルトをきつく締めている、重いカバンをいつも同じ側に掛ける、いつも同じ向きで寝ているなどです。何度施術を受けても、同じ部位が痛くなるという方は、以上述べたような事がないか、日常生活を点検してみて下さい。
※以下は再発に関し臨床で得た、あくまでも個人的な意見であることをお断りしておきます。
筋肉にトリガーポイントができ、そのまま放置されていると、ある段階で痛みを発しなくなることもあるのではないかと考えています。痛みを発しない代わりに、萎縮して機能を果たさなくなっていると思われる症例が見受けられるのです。
筋肉が萎縮すると、どこかが機能を代替しなければならないので、別の筋肉に負担がかかります。その結果として、他の部分に第2のトリガーポイントができていくと考えられます。
元の萎縮している部分を何とかしない限り、痛みを感じている第2のトリガーポイントを除去しても、度々悪くなります。そういうケースもあるのではないか、というのが現段階での私の仮説です。