治らない慢性頭痛、それは筋・筋膜痛かもしれません
「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」など日常的な慢性頭痛に悩む、いわゆる頭痛持ちで、鎮痛薬を飲み続けかえって症状をこじらせている方。発作が頻繁に起きるため予防薬を飲んでいる方。
理学療法や様々な代替治療を受けたが、あまり効果が上がらず神経ブロック療法を勧められたり考えている方。
その頭の痛みは、筋・筋膜痛によるものかもしれません。筋・筋膜痛は、時に関連のない病気とよく似た痛みを引き起こします。
筋・筋膜痛により、頭皮・後頭部・頭頂部・首の付け根が痛くて頭痛外来に行っても、はっきりと原因を特定できず、症状に応じた対症療法になります。
脳に異常が見られず、原因がはっきりしない慢性頭痛は、各種の消炎鎮痛薬が治療の中心です。さらに頻回の頭痛には各種の予防薬が用いられます。
筋・筋膜が原因の頭痛の場合、これら対症療法では根本的な治癒につながらず、治療が長引いてしまいます。長期間にわたって薬を使用していると、副作用や薬物乱用頭痛の心配があります。
筋・筋膜痛による頭痛とは
それでは筋・筋膜痛が疑われる原因不明の頭痛を解消するには、どうしたらよいのでしょうか。
筋・筋膜痛を一言でいえば、筋膜などにある痛みの受容器が、何らかの原因で異常を起こして発する痛みです。異常が起き過敏になった痛みの受容器を、トリガーポイントといいます。トリガーポイントは、筋肉と腱の境目や骨に付着する部位に形成されやすい傾向があります。
トリガーは引き金という意味です。病変部だけでなく、離れたところが痛むこともあるため、トリガーポイントと呼ばれます。
頭部・頭皮にはたくさんの神経があり、肩や首の腱に生じたトリガーポイントが、頭痛として知覚されることも多いようです。
普通は何でもない日常の動作・運動などで、このトリガーポイントが刺激されると、強い痛みとして感じるのが、筋・筋膜痛の正体です。トリガーポイントを治療することにより、神経の興奮を取り除き、緊張している筋肉をほぐします。同時に日常生活で偏った姿勢や動作に気をつけ、適度なトレーニングを行います。
トリガーポイント治療で、いままで悩んでいた筋・筋膜痛からくる、しつこい頭痛が解消し、再発を予防できている方がたくさんいらっしゃいます。
筋・筋膜痛を治療する
筋・筋膜痛を解消するトリガーポイント治療とは、どのような治療法でしょうか。基本的な考え方は、異常を起こしている痛みの受容器であるトリガーポイントを、傷つけたり麻痺させたりして、新たに正常な受容器の再生を促すことです。
痛みの受容器はごく小さな組織で、傷ついても数時間で修復が始まり数日で回復します。トリガーポイント治療は副作用がなく、後遺症も残らない治療法です。
筋・筋膜痛の治療法には、トリガーポイントマッサージ・トリガーポイント注射・トリガーポイント鍼などがあります。
トリガーポイントマッサージは、手技や器具を使ってマッサージを行い、筋肉のコリをほぐすとともにトリガーポイントに刺激を与えます。
トリガーポイント注射は、主に麻酔薬をトリガーポイント近辺に注射し、固くなった筋肉を弛緩させたりトリガーポイントを麻痺させます。
のざき鍼灸治療院のトリガーポイント治療は、傷んでいるトリガーポイントに鍼を直接作用させ、細胞が修復する過程で痛みの受容器を正常な組織へと向かわせます。
トリガーポイントは実体のある組織ですから、正確に鍼を刺入すれば高い効果が望めます。
筋・筋膜に原因がある頭痛には、トリガーポイント鍼治療が有効です。
脳の病気以外の慢性頭痛は、機能性頭痛と呼ばれる筋・筋膜痛のことが多いようです。薬に頼りすぎていると薬物乱用頭痛の恐れもあります。
「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」など、消炎鎮痛薬・予防薬・理学療法で、はかばかしい治療効果がみられない方は、神経ブロック療法の前に、トリガーポイント鍼治療を試してみることをお勧めします。